コラム:米国の寄付の最新動向①
2020年12月16日
米国クラッシィ社(Classy)が寄付者の動向に関する調査「Why America Gives 2020」結果を先月11月に発表しています。本調査結果から、2020年の米国における寄付者の動向について、興味深いトピックをいくつかご紹介します。
参照:https://go.classy.org/report-why-america-gives-2020-charitable-giving-trends
(※翻訳は寄付月間共同事務局メンバーが協力して行ったものです。プロの監修など受けておりませんので、ご了承ください。)
昨年の寄付と、どのような違いが?
2020年の世界的に大きな出来事といえば、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック。
パンデミックの影響で全米でも記録的な失業率となっているものの、アメリカ人の5人に2人(39%)が、昨年と比べると今年の方が非営利団体に多くの寄付をした(or する)と答えています。
その理由を尋ねたところ、3分の1(33%)が「今年は社会的ニーズが高いから」との回答。クラッシィ社が手がける寄付のプラットフォームにおいても、4~6月にかけて寄付が急増しています。
また、COVID-19関連の活動に寄付をした人のうち、27%が「いつも行う支援に『加えて』寄付をした」、24%が「いつもの寄付先の『代わり』に寄付をした」と答えています。
今年一番支援が必要だと感じている社会的課題は?
回答者のほぼ半数(46%)が「健康問題」を選択しています。
2位は「災害救援」(34%)、3位が「教育(31%)」という順番でした。
なお、2018年と2019年では1位:災害支援、2位:健康問題、3位:環境/動物でしたので、今年はパンデミックの影響が伺えます。
世代別にみる寄付意欲
今回の調査からは、世代による寄付意欲の差も読み取れます。
このパンデミック中、より多くの寄付をしていると回答した各世代グループの割合は下記の通りで、どちらかというと、若い世代に寄付意欲が高い傾向があります。
・Z世代(~20代前半) :30%
・ミレニアル世代(20代後半~40歳) :25%
・X世代(40代~60歳) :32%
・ベビーブーム世代(60代~70代前半) :14%
・サイレント世代(70代後半~) :14%
<注>各世代の()内年齢は参考の年代です。
このように、本調査ではパンデミックの影響が明確に現れていることが見てとれます。そのほか、Black Lives Matterに代表されるような人種・人権問題にも注目が集まっているのが2020年の特徴といえるのではないでしょうか。本調査では、上記トピックに加えさまざまな関連での調査がなされています。
この12月の1か月間、日本だけでなく世界の動向にも目を向けつつ、寄付に思いを馳せる1か月になればと思います。